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『七人』の絶妙 [映画]

ノロイ
『七人の侍』を観た。
何度か観ているはずなのだが、これほど全編きっちり観たのは初めてではないかと
思うくらい今回はどっぷりと観た。
『荒野の七人』がもうシーンやセリフを暗記するほど観ているので
どうしてもオリジナルである『七人の侍』よりも愛着があるのだが、
その比較がまた楽しかった。
映画そのものの面白さもさることながら、ここにそうした興味が加わって、
三時間半という長さをものともしない。
今更、望むべくもないが、オリジナルを先に観ていて『荒野の七人』を観るというのも
いかにも楽しそうだ。
薪割り、ナイフ投げ、とまんまな登場シーンがあったり、
誰かと誰かが混ざったり、分裂したキャラとかがあったり。
『七人』というのは、戦略に必要な最低限の人数であるのだが、この人数の絶妙なこと。
たぶん、これより多くても少なくてもしっくり来ないだろう。

『荒野の七人』はまた、私の中では「泣ける映画」である。
それはひとえに、只飯だけの報酬で本来無関係な存在である農民たちの為に戦い、
しかも正義とか名誉とかとは無縁でありながら命を落とすガンマンの姿に泣けるのだが、
もうひとつ絡んで来るのが、農民の惨めさとか弱さとか、それゆえの卑怯さとかで、
そうして「勝ったのは農民」と地に足の着いた人間が一番強いのだというラスト。
(ちなみに『ガンバの冒険』(これも七匹)の最終回もいつも泣く。)

『七人の侍』ではそれが更に際立つ。
見た目でけでも、何故か日本の農民の方がメキシコの農民よりも更に悲惨で、
自分たちが作った米も食えず、稗しか食わない悲しさ。
木賃宿のシーンで早々と泣いてしまった。
反面、落ち武者を襲って武具を隠していたり、どこからか酒が出てきたり、
という狡猾さやしたたかさ。
それでも穴の開いた股引や破れた着物のへっぴり腰で、竹槍を奮って戦う。
そんなものが今回はなんだかとても印象的だった。

ひとつ、大きな違いがあるのが、敵側。
『荒野の七人』の盗賊の首領カルベラは、どこか憎めなくて大好きなキャラなのだが、
野武士の頭目はキャラの出る幕もなかった。
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